旅のスタイル、あり方をちょっと違った角度でお届け。
旅先で出会った、ちょっと変わった旅人達。
ある種の達人といえる彼ら3人、包丁一本野郎、
ジーンズ一本おにい、68歳のおばあさま
をご紹介したい。
それぞれ、憧れ、やれなくはない、
ぜんぜんやれそうなお三方(さんかた)である。
旅のスタイルはそれぞれだろうけど、
旅ってこんな自由なんだって
思わせてくれた素敵な方々だ。
3人目のおばあちゃまなんて
これ、きっと皆もできそう!
こんな旅のスタイルはいかがかな?
それでは、始めよう。
1.包丁一本野郎 - 手に職とはこういうこと~!
(冒頭に申し訳ない)
これは又聞きなのだが、ある男性のお話。
彼は、包丁一本をもった日本食の板前さん。
なんでも、ふらっと街を歩いて、気に入ったら
そこで和食店を探し、しばらく働くのだとか。
その間、その国だけでなく、近くの国々を
ぐるっと旅し、まあひと通り満足するまで
そこに滞在。
飽きたら次の場所へ移動。
それが、だいたい2.3年間隔。
先進国だと、ほぼ和食店の需要は多く、
セルフ出張板前さんなら、なおさら
喜ばれることだろう。
何より、働きながらだと旅のお小遣いも
充分賄(まかな)えるので、心配もない。
職を活かしながらの、世界旅なんて
発想がいいね!
こんな技が活かせる!
職を活かすという意味でもう一方(ひとかた)。
ラスベガスで出会った30前後の男性。
なにやら仕事風だったので、
「ラスベガスのような遊びたいところで
お仕事なんて、残念ですね~。」
「イヤ、観光で来たんですよ。」
「は、はい?」
「実は、昨日観たショーのライティングが
今一つで、もっと上手にライティングすれば
お客さんも喜ぶと思って。」
劇場側にライティング企画を説明して
すでにセッティング終了。
無事仕事が終わったところだという。
「え、観光できたんなら、照明の
必要機材とかは?」
「提案前にここで必要材料を調べたら
ひと通り間に合うことがわかったからね。
じゃなきゃ、やれないし(^o^)」
その時、素人ながら理解したのは、
ふわっとした単なるライティングに
レーザー光線風のカッコいいビームを
利かしたような感じだった。(だいぶ前なので)
劇場側にも感謝され、
彼自身もその旅行費くらいは
浮いたようだった。
ショーの本場に勝るなんて、
日本の照明技術も誇らしい。
しみじみ、手に職、特技を持つって
素晴らしいなぁと思った2つの例である。
2.ジーンズ1本っきり
ある太陽の眩しい朝、
宿の裏庭の洗濯ロープに
大きく広げたジーンズをピン止めしてる
日本人らしき男性を発見!
「おはよう、かな?(←日本語)」
「あ、おはようございます。」
無事日本語が返ってきた。
「天気が良くて、
ジーンズよく乾きそうですね。」
「はい、ぼくこれしか持ってないんで、
天気のいい日は狙い目なんです。」
「?」
聞くところによると、
彼のお洋服の持ち物は、
ジーンズ1本
Tシャツ2枚
ショートパンツ1枚
だけらしい。
ショートパンツは、パジャマ代わりというか
ジーンズを洗っている間の間に合わせに
過ぎない。
つまり、
Tシャツとジーンズ1本だけで
旅している。
さすがに、
「ジーンズ1本じゃ厳しいんじゃ?」
「ジーンズが乾くまでのんびり待ちますよ。」
という。
乾いたら、
また洗いたてジーンズで旅を再開。
ジーンズの洗濯が、
彼にとっては旅の休憩日。
なのかもしれない。
また、
ここでジーンズ1本増やして重い荷物より、
軽くて、気軽な旅がいいんだとも。
背負うリュックが軽ければ、
パワーも温存できて、
足取り軽く、
アクションが1つ増やせるかもしれない。
スケジュールぎゅうぎゅう詰めで
あっちこっちと飛び回るミツバチの
ような自分の旅、
考えさせられました~(^_-)-☆
(+α) フェスティバルが大好き
「オレ、祭り大好きっ、なんすよ。
フェスオタなんで」
ちょっと金髪かかった、爽やかスマイルの20代男性。
出会ったところは、スペイン サンティアゴで、
明日からお祭りが始まろうとしている日。
祭りと聞くと、血が騒ぐらしく、というか
祭り情報を追いかけて、
世界の祭りをメインに旅しているらしかった。
いやぁ~、その発想はなかった!
サンティアゴは、旧市街は1985年にUNESCO世界遺産に登録されており、また、エルサレム、バチカンと並ぶキリスト教三大巡礼地のひとつでもあり、世界遺産に登録されているサンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路の終着地でもある。-Wikipedia
3. おひとりさま 68歳のおばあさま
スイスの登山鉄道は、やや料金高めだが、
ゆっくり綺麗な高原や山々を眺めながら
人気のユングフラウの頂上まで
連れて行ってくれる。
ある駅で乗り合わせた一人の日本人女性。
お連れの方は? と左右を確認するほどの
ご年齢。
お互い、”おひとりさま”とわかると
自然と会話が弾んでくる。
次の停車駅にさしかかろうとすると、
「ここが一番見晴らしのいいところだから
私は、ここで散歩しながら一駅歩くの。
あなたもどうかしら?」
(え、あの~、この電車賃高いんで
降りるなんてもったいない。
こんなとこで時間かけるより
ユングフラウの頂上でのんびりしようよ。
それに山を一駅歩くなんて疲れそ…う)
と心の声がして、降りる気になれない。
「絶対素敵だから、
一緒に行きましょうよ。」
「はい」半ば強引風でもあったが
断りきれず、“旅は道連れ”と自分に
言い聞かせる。
歩いて、5分もせず、
なんと浅はかさだったかを思い知る。
この高原の絶景や空気の美味しさや
澄み切った空のキレイさや
そしてそのおばあさまとのさりげない
会話のたのしさや
ユングフラウのトッペンでの感動を
すべてが超えた~。
さて、話を戻そう。
このおばあさまは
毎年 1回 1ヶ月 スイスに滞在。
(スイスが一番旅行しやすい時期。)
何かのキッカケ(←忘れた)で
スイスが大好きなんだとか。
定年後に毎年スイスを訪れようと決意して
私が出会ったのは3回目のことだった。
このご年齢でおひとりで旅をなさるからには、
「英語かスイスで話す言葉がご堪能でしょ?」
(※スイスでは、スイス語というのはなくて、
ドイツ語・フランス語・イタリア語・ロマンシュ語が公用語である)
「私はすべて日本語で話すのよ。
他はぜんぜんしゃべれない。」
「日本語?」
「そうよ、スイスでは日本語が一番通じるのよ。」(←おばあさまの場合?!)
「まあ、見てご覧なさい」とばかりに
まず、乗車券を確認にきた係に
「ありがとう!」
「どういたしまして」(←日本語)
ホントだ~! 日本語が通じてる。
その後、事あるごとに
「ありがとう」と気持ちを伝えると
向こうもにっこり「ありがとう」って返してくれる。
確かにスイスは日本人観光客が多いし、
行く場所は、有名観光地でもある。
しかし、ここまで日本語で通すとは恐れ入った。
さらに、
「ありがとうはわかりました。
でも、切符買うときとかどうするんですか、
さすがに地名を言わないと通じないんじゃ?」
笑いながら、
「それも日本語よ」
と笑いながら、単語暗記帳を取り出した。
そこには今回行く予定の場所の単語が
書き記されていた。
「行きたいところを見せながら」
一本指を立てて、
「1枚ください(←日本語)っていうの。」
はは~、あっぱれ! 完璧に日本語の旅だ~。
さらにあっぱれおばあさま。
この1ヶ月のために残り11ヶ月を
次はスイスのどこへ行ってどんな旅を
しようといろいろ調べながら過ごすという。
なので、単語帳は、学生時代のように
一夜漬けで作られたわけではない。
スケジュールを綿密に立てていたからこそ、
私を誘ってくれた徒歩で歩く一番良い一駅の
ポイントを熟知していたのだった。
こんな旅なら、みなさんも身近なものに
感じるのではないだろうか。
ちなみに私、おばあさま時代用に
国内旅行をとってある。
最後に
あなたに死ぬまでにには絶対行ってほしい国は、
スイス と タヒチ
どちらも世界一物価が高いのが玉にキズだが、
その極上のキレイさは、生きててよかった!
と唸りたくなるよ~!
Ciao! Bon Voyage!
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